2016年10月26日水曜日

【後味の悪い話】猫草


48 : 「猫草」1/2@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 12:24:34.07 ID:LMQesJb20.net [1/1回]
大島弓子の漫画「綿の国星」の一篇「猫草」。

「綿の国星」は猫の視点で描かれた連作短編集で、出てくる猫は皆、耳と尻尾だけは猫のままの、人間の姿をしている。「猫草」では少年の姿をしたオスの子猫が主人公。

子猫は飼い主夫婦に可愛がられ、幸せに暮らしていたが、飼い主の「お母さん」の出産により、その生活は一変する。

育児に追われ、疲れ切って子猫の世話もままならない「お母さん」が、子猫は心配でならない。歩くことも話すこともできない赤ん坊に密かに「猫草」とあだ名をつけ、気をもむ日々。

ある日、疲れて居眠りする「お母さん」をよそに、赤ん坊が泣き出す。
こら!ダメだろ、「お母さん」が起きちゃう!

あせった子猫は泣きやませようとしてつい、赤ん坊の顔に爪を立ててしまう。




49 : 猫草2/2@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 12:41:53.45 ID:eQks344v0.net [1/1回]
子猫の所業は大問題となり、飼い主夫婦は翌日、子猫を捨てにいく。悲しそうな顔で振り返りつつ、「お父さん」に促されて車に乗り込む「お母さん」。
子猫は捨てられた事情を理解しつつも、やむにやまれぬ衝動に駆られて車を追う。空腹に耐え、夜露をしのぎながら、幾日もかかってようやく家に帰り着いた。

雨が降る中、軒下でこっそり家の中を窺うと、顔にベタベタ絆創膏を貼った赤ん坊が見える。

ごめんな。痛かったろうな。

そんな子猫に赤ん坊のテレパシー?が語りかける。
「○○(猫の名。忘れた)、カエッテキタ」

なんだ猫草、お前喋れるんじゃないか。じゃあ歩けるようになったら、一緒に野原に遊びに行こう。野原はきらきら眩しくて、いっとうお前に見せたいよ。

疲れた子猫は軒下で眠りにつく。

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