2016年11月16日水曜日

【恐怖体験】小豆島 中編

317 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/06/13(土) 20:10:34.17 ID:ZdsK0XGH0.net [4/11回]
島について湾内に入っても全く船が泊まっておらず、どうやら海の家もやっていないようだった。
「あー、まだシーズンやなかったか…」とHさんはかなり残念そうだったが、せっかくなので皆で釣りして
釣った魚で宴会しようという流れになった。

皆で誰も居ない島でそれぞれ適当なポイント探して釣り始めると、これが今まで一番の爆釣れ状態。
うちの親父は堪え性がない性格で全くと言っていいほど釣りに向いてない人間でセンスも0だが、
そんな親父でもそこそこ釣れるほどで、3時間ほど釣ればクーラーボックスいっぱいになるほどだったそうな。

15時か16時ぐらいに、ちょっと早目の夕飯を食ってから出航しようという流れとなり、
皆が釣った魚を大量に使って豪勢な夕食を作り宴会となった。

皆で酒を飲みながらヨットや釣りの話、仕事や家庭、子供の話で大いに盛り上がったが、
酒好きだがそこまで強くない親父は途中からウトウトしてしまったらしく、
ハッと気がつくと高かった日が落ちて僅かに水際が光ってるぐらいになっていた。




318 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/06/13(土) 20:11:54.17 ID:ZdsK0XGH0.net [5/11回]
「しまった!」と飛び起きて見回すと、Hさん、Jさんがデッキに拵えたテーブルに
グラスを持ったまま突っ伏して寝てる状態で、Jさんの友人2人は船内に入って寝ているようだった。

全員が酔って寝てしまっている状態に親父は苦笑して、「とりあえずHさん、Jさんを起こして帰り支度するか」と思い
立ち上がって寝てる二人を揺り起こそうとした時、ヨットの船尾からバシャ、バシャ、バシャと派手な水しぶきが上がった。

驚いた親父が船上から覗いてみると、暗いのでよくわからんが恐らく魚が群れて跳ね回ってるようだった。
小型のライトをつけて照らしてみると確認するとイカの群れだということがわかった。
かなり近い位置でバシャバシャやってるから、備え付けてあるタモで掬えるんじゃないかと思い
船尾に降りてダメ元で群れにタモを突っ込んでみるとすごい重い手ごたえで、引き上げてみると5匹ぐらいイカが入っている。

親父が思わず「おおっ!」と驚きの声をあげると、Hさん、Jさんも目が覚めたようで
船尾から上がってデッキでドタドタやってる親父のところに寄ってきた。
親父が海水を汲んだバケツにイカを入れなが事情を説明すると、Hさんは「じゃあ、ワシもやってみるわ」と言い
タモ持って船尾に降りて行った。



319 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/06/13(土) 20:13:31.12 ID:ZdsK0XGH0.net [6/11回]
親父とJさんが「アオリイカかな?」などとイカについて喋ってると、ドボン!と大きな水音がした。
まさか!と思い船尾を見るとHさんの姿がなく、バシャバシャやってたイカの群れも消えている。
これは身を乗り出しすぎて落ちたな、と思いながらも親父はHさんは泳ぎも上手く、波もまったく無いので
すぐに浮き上がって泳いで帰ってくるだろうと思い楽観していたが、Hさんが浮かび上がってきたのは
なぜかヨットから5m近くも離れた場所で、しかも懸命にもがいていた。

溺れたHさんを助けようと親父が反射的に海に飛び込もうとすると、Jさんがすごい力で親父の腕を押さえつけて
怖い顔で「救命用の浮き輪を投げて引っ張りましょう!」と言う。

親父はどう考えても飛び込んだ方が早いと思ったが、普段の冷静なJさんの様子が何かおかしく
鬼気迫るものがあったので、デッキにある備え付けの救助浮き輪を外し、Hさんめがけて投げつけた。
上手く近くに着水した浮き輪をHさんが掴んだのを確認して、親父とJさんは浮き輪に結び付けてるロープを引っ張ったが
Hさんがこちらに向かって泳いでいるのに、何かに流されてるようで中々思うように引き上げられない。
しかも、Hさんの周りの波の動きが妙な感じで、なにかが泳ぎまわってるようだった。



320 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/06/13(土) 20:14:39.91 ID:ZdsK0XGH0.net [7/11回]
Jさんは引っ張りながら大声でヨットの中で寝てる友人二人を呼び、起きたばかりで状況のいまいちわかってないながらも
親父とJさんの作業を手伝い大の男4人掛りで何とか引き上げに成功した。

親父が「大丈夫ですか!?」とHさんに呼びかけると、肩で息をしていたHさんが「出すぞ!!!」と周囲に響き渡るような
大声を上げた。それが合図になったかのかJさんは物凄い勢いで係留ロープを外し、ほぼ同時にHさんがエンジンをかけて
普段のHさんからは想像もできない荒い操縦でヨットは桟橋から離れた。

親父にはHさんを引き上げたあたりからずっと「ンゥゥゥゥ~ゥゥン~ゥゥン…」と
牛蛙の鳴声のような男の鼻歌のような声が聞こえおり、入り江から出た後もずっと聞こえており、
操縦しているHさんの様子も明らかにおかしく、ただ事ではない事態に巻き込まれたのは間違いない。
Hさんに何があったのか問いただそうとすると、Jさんが「あかん…追ってきてますわ…」と震えながら言う。

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