49 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] 投稿日:02/12/13 12:40
AとBはとても仲のいいクラスメートで二人はいつも一緒だった。
学校の休み時間も二人で遊んだし放課後にも二人で遊んだ。
学校の近くに沼があり、その沼は子供にとっては格好の遊び場であった。
二人は今日は沼で遊ぶ事にした。
しばらく遊んでいたうち急に
「うああ!!」
Bがバランスを崩して沼に落ちてしまったのだ。
(自分一人、しかも子供の力だけでは無理だ・・!)
そう思ったAは「誰か呼んでくる!!」と言って走って助けを呼びに行ったが
「助けて、助けて」「Aくんたすけて!!たすけ・・」
「助けて、助けて」
という声を背に全速力で走るA。
Aがやっとの思いで助けを呼んできた時、Bは浮かんでいた。
間に合わなかったのだ。
もしかしたら自分が彼を殺したんではないか、自分があの時即座に手を伸ばしたら助けられたのかもしれない
その件以来、Aは沼に近づく事はなくなった。近づけなかった。
沼を避ける事で罪の意識から逃れられ、あの事件の事を忘れられるのではないかと思ったからだ。
50 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] 投稿日:02/12/13 12:40
そして、20年後。
Aは地元で就職し、結婚して子供がいた。
その日は一人息子Cの誕生日だった。
Aは息子のために、ケーキとプレゼントを買い家路を急いた。
すると看板が・・。
「通行禁止」
朝会社に行くはしていなかった工事をしていなかったのに・・
(この道を使えないという事は・・あの道を通るしかないな・・)
Aのあの記憶が決して消えたわけではない。避けつづけた20年間。
しかし通らなくては帰れない、しかも今日は息子の誕生日だ。早く帰らなくては・・。
意を決して沼の横を通った、その時
「助けて、助けて」
Aは沼の方を見ないようにし、全速力で走った。
息を切らしながら家に帰ると妻が彼を出迎えてくれた。
が、肝心のCの姿が見えない。
妻に「Cは?」
「沼に遊びに行ったわよ、あの道通ってきたんでしょ?Cいなかった?」
その日は20年前のBの命日だった。
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