2016年8月5日金曜日

【恐怖体験】「あれを開けたのか!ばかたれ!」

17 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 13:28:26.88 ID:hvDgfQTl0.net [1/6回]
これは小学校6年生の頃の話
 俺の田舎で起こった出来事です

 その村には、大人から入るなと言われている神社がありました
理由を聞いても答えてはくれません
俺らは怖い物知らずでバカだったんで
 まーなにもないと高をくくり、夜に肝試しをすることにしました

俺と村の子供4人
ガキ大将のA、Aに無理矢理連れてこられた怖がりのB、
 Aの弟のC、寺の息子で霊感があるDです

鳥居を超えたあたりから、Dは止めようと言い出しましたが
 ほかの3人は何ともなかったので、さくさく進みました
道の一番奥まで進むと、獣道みたいな切れ目がありました

「おい、なんかやばいな」

ここまで来ると、嫌な雰囲気を全員が感じたようです
 しかしAは無理矢理にでも行こうとしました
僕らは皆で止めたのですが、先が気になるAに引きずられる形で進みました




18 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 13:39:04.87 ID:hvDgfQTl0.net [2/6回]
獣道を超えると、そこは鎮守の森の中にぽっかりと開いた空間でした
8畳ほどの広さで、平たい岩が敷き詰められていました
石畳・・・いや、舗装といえるほどのものではなく、
アンコールワットみたいに自然と同化していました
所々苔が生えた石の隙間から無造作に雑草が伸びています

 よくみると、石造りのほこらのようなものが奥の方に見えました
周囲と同化しており、暗がりでは目立たないのですが
何故か異様な存在感を放っておりました

「おい、やばい気がするぞ」とDが言いました
 さすがにAも怖気づいていましたが
「ここまで来て調べずに戻れねーだろ」と言って、ほこらに近寄りました

 ほこらは俺らの背丈と同じくらいで、大きなものではありません
遠目には天然石を寄せ集めて作ったように見えたのですが
近くでみると赤茶けたぼろい木戸が付いていました
観音開きの戸で中央に木の錠前が付いていました
錠前はにかわの様なもので固定されておりました


19 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 13:54:49.64 ID:hvDgfQTl0.net [3/6回]
「あけてみようぜ」

 Aはそう言いました
錠前は子供の力でも簡単に外せそうですが
皆はあまり乗り気ではありませんでした

 そんな空気を無視して、Aは錠前に手を掛けました
 にかわらしきものが、ばりばりと剥がれる音とともに
 それはあっけなく外れました

戸を開けると、中にはさらに小さな祭壇があり
中央に石で出来た置物がありました
一見すると牛のような外見ですが、何の動物か分かりません
大きさはアルミ缶ほどです
胴と頭、角か耳か分からない突起が頭上にふたつ
全体的に角がなく丸っこい、子供が粘土で作ったような感じです

Aは「なんだこれ、大したことないや」といって
置物を手に取りました
Aは皆にも手渡そうとしましたが、気味が悪いので持ちたがる人はいませんでした

「うあ・・・」
 Bが祭壇の中をのぞいて言いました
視線を祭壇の中に移すと・・・
石の置物が置いてあった下には、魔方陣のような物があったのです
円の中に筆で描かれた呪文のような文字がありました
直感的に、置物を封印してあるものだと思いました

「兄ちゃん!やばいから戻そうぜ、それ!」
 弟のCはAに言いました
Aもさすがにヤバいと思ったのか
「お、おう、そろそろ戻すわ」と置物を戻しました


20 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 14:13:48.87 ID:hvDgfQTl0.net [4/6回]
翌日、Aが夜中のうちに失踪したと村中大騒ぎになりました
前日に一緒にいた俺たちは、当然事情を聴かれまして
神社での出来事を全て話しました

「あれを開けたのか!ばかたれ!」

 村の爺さんに怒鳴られました
真剣な顔で「あれ」について語り始めました
「あれ」つまり石の置物は、何らかの呪物だそうです
何時からあるか、正確なことは不明ですが、少なくとも江戸時代にはあったらしい
神主が代々管理しており、村の人間は誰も近付かない物だそうです

置物は「ボリ」と呼ばれるもので
子供が触ると、体が重く感じて自ら動けなくなるそうです
不思議なことに、見ると触りたくなることもあり、危険なので結界に封じていたと言います

「Aはボリに魅入られたのかもしれない」

 村の爺さんはそう言いました


21 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 14:27:58.35 ID:hvDgfQTl0.net [5/6回]
しばらくすると、Aが神社の境内で発見されたと連絡がありました
奇妙なことに、Aは自分から体を動かすことが出来ないと言います
爺さんの話と一致するので、皆は恐ろしくなりました

Aは病院に運ばれました
 しばらく入院していましたが、動けない原因は全く分かりませんでした
一向に良くなる気配もありません

呪いなんて信じがたい話ですが・・・
Aの両親は、ボリを管理する神主に相談しました
皆もAが心配なので、神社まで付いていきました

「事情は分かりましたが、どうなるか分かりませんよ」
 神主は神妙な面持ちで言いました

Aは神社の中に運ばれて、お祓いを受けました
神社の中は狭いし、お祓いは危険だというので
 お祓いの様子は子供にみせてくれませんでした


22 : 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 14:29:54.62 ID:hvDgfQTl0.net [6/6回]
しばらく待っていると、Aと神主とAの両親が神社から出てきました
Aは自力で歩いているので、何とかお祓いは成功したようです

 その後しばらくは、Aは足が重く感じられたそうで
走ることが出来るまで数週間掛かったそうです
幸い、後遺症もなくAは回復しましたが

「触っていた時間が長ければ、再び動くことは出来なかったかもしれない」
 「Aはおそらくボリに呼ばれたのだろう」
 「再びボリを触らせるために・・・」

 神主はそのように語っていました

 ボリとは何なのか?
 誰が何のために作ったのか?
いつからそこにあるのか?
いつまで力を持ち続けるのか?
いつまで封じる必要があるのか?

 今となっては誰も知りません
 ただ、強力な呪物だということは、間違いないようです

 これが私の体験した不思議で恐ろしい話です

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